サッカー日本代表において、久保建英のプレースタイルは新たな段階へと進化している。かつては若き才能として注目され、ドリブルや華麗なテクニックで観客を魅了してきた彼だが、今や単なるアタッカーではなく、試合をコントロールする冷静さと判断力を身につけた「大人のプレーヤー」へと成長している。
熱すぎず、冷めすぎないバランス感覚
これまで久保は、攻撃の際に個人技を活かし、ゴールへの積極的な姿勢を見せていた。しかし、スペインのラ・リーガでのプレー経験を重ねる中で、チーム戦術の理解を深め、状況に応じたプレー選択ができるようになった。つまり、単なるドリブラーではなく、周囲を生かしつつ、自分も輝く選手へと変貌しているのだ。
彼のプレーは「熱すぎず、冷めすぎない」絶妙なバランスを持つ。無理に突っ込んで相手にボールを奪われるのではなく、確実なパスを選び、必要な場面では仕掛ける。自らが目立つことよりも、チームの勝利を最優先に考える姿勢が、より成熟した選手像を作り上げている。
新境地を切り開く久保建英
現在の久保は、攻撃的ミッドフィールダーとして、チーム全体のリズムを作る役割も担うようになった。特に日本代表では、彼のプレーが試合の流れを左右するほどの影響力を持つようになっている。以前は「久保が活躍するかしないか」で評価されることが多かったが、今では「久保がどう試合を動かすか」が注目されている。
また、スペインのレアル・ソシエダでのプレー経験が、彼の成長をさらに加速させている。激しいプレスや速い攻守の切り替えが求められるリーグで戦う中で、彼はフィジカル面や戦術理解力を向上させた。その結果、日本代表でも相手の守備をかいくぐる動きや、冷静なゲームメイクができる選手へと進化している。
これからの久保建英に期待
まだ24歳と若いが、彼のプレースタイルはすでに円熟味を帯び始めている。日本代表にとって、久保はもはや「未来のエース」ではなく、「現在の中心選手」としての役割を果たしている。
これからも彼の成長が日本代表にどんな影響を与えていくのか、そしてさらなる高みを目指してどのように進化していくのか、今後のプレーが楽しみでならない。
久保建英とは？
久保建英（くぼ たけふさ）は、2001年6月4日生まれのプロサッカー選手で、日本代表の中心選手の一人。ポジションは攻撃的ミッドフィールダーやウイング。幼少期から卓越した技術を持ち、スペインの名門FCバルセロナの下部組織「ラ・マシア」に所属していた経歴を持つ。
その後、日本に帰国し、FC東京でプロデビュー。その後、スペインのレアル・マドリードと契約し、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェなどを経て、現在はレアル・ソシエダでプレーしている。巧みなボールコントロールと視野の広さ、冷静な判断力を武器に、日本代表でも攻撃の要として活躍している。
